私は、パーソナルスタイリングの現場では「言葉」にすごくこだわっています。
ファッションというジャンルは、別に言葉がなくても、洋服を見せて「はい、これです」と示せば済む場面も非常に多いのですが、それでもやはり言葉で表現することを大切にしています。
なぜかというと、人間の悩みや感情も、言語化できた段階で大部分が整理され、解消していくからです。
悩みが一番つらいのは、言葉にならないとき
悩みって、うまく言葉にならなくてもやもやしているときが一番辛いんですよね。
なんだか最近、会社にいるとイライラする。理由はわからない。
でも、会社の後輩が、同僚からかわいがられている姿を見たときに一番イライラする。
別に、あの後輩が嫌いなわけではないと思うんだけど、何でなんだろう・・・。
そんなとき、後輩に意味もなくイライラしている自分に嫌気が差して、ますますイライラしてしまうものです。
でも、そのイライラの原因が言語化できると、それだけですっきりします。
例えば、
「あ、私、誰かに甘えているのをガマンしているから、あの後輩のように無邪気に誰かに甘えている姿を見るとイライラするんだ!」
とか。
言語化できたってことは、自分で悩みの原因に気づけたと言うこと。
それだけで、悩み自体は解決しなくても、その感情と上手く付き合っていけるようになるんですよね。
心理カウンセリングの目的の大半は、このような感情の整理なんです。
あなたがなぜおしゃれで悩んでいるか、言葉にできますか?
私はファッションだけでなく、心理カウンセリングも長らく研究してきました。
だからフォースタイルのパーソナルスタイリングでも、このような心理カウンセリング的な側面をとても大事にしています。
そのため、言葉にできないもやもやしたおしゃれの悩みを抱えていらっしゃるお客様がたくさんいらっしゃいます。
中でも多いのは、いろいろなサロンに行って似合う洋服を診断してもらったけれど、それでも何を着ればよいのかわからない、イマイチ「似合う」と言われた服にしっくり来ない・・・という方。
そんなお客様のお悩みの原因のほとんどは、
似合う服
と
着たい服
がずれていることです。
でも、自分が着たい服って、言葉にすることはなかなか難しいんです。
だから、似合う服と着たい服がずれているからモヤモヤしているんだ、ってことにも気づけず、いくつもサロンをはしごしてしまったり・・・。
じゃあ、自分の着たい服がわからないとき、どうすればよい?
そんなとき、フォースタイルではまずカウンセリングでその人の気持ちや悩みを引き出します。
着たい服について具体的に言葉にならないのであれば、いろいろなキーワードの中から気になる言葉をピックアップしてもらったり、心理テストに回答してもらって本当の性格を客観的に把握したり。
ここまでで、着たいと思っているであろう服の方向性をいくつかのパターンに絞り込みます。
でもこの段階では、お客様にそれをお伝えすることはありません。
なぜなら、私がそれをすくい上げてお伝えするより、お客様にご自身で気づいて頂いた方が、気持ちがすっきりする効果が高いからです。
そのために、次はお買い物同行へ。 私が想定したテイストの服を何パターンも着て頂きます。
すると、お客様は、言葉にならなくても感情で気づくのです。
自分が着たかった雰囲気の服のときには、自然に笑顔がこぼれ、嬉しい気分に。
そんなに着たくなかった雰囲気の服のときには、今ひとつ気分が盛り上がらず、早めに脱ぎたくなります。
そして、最終的に、着たかった雰囲気の服は「買います!」ということになって、買った服を並べてみてみれば一目瞭然。
そこに、そのお客様が着たかった服のイメージが具現化されているのです。
かわいい系が似合うけど、本当に着たいのは・・・・
例えば、先日いらしたお客様。 やはりパーソナルカラーのサロンに行っても、体型を診断するようなサロンに行っても、今ひとつおしゃれがしっくりこなかった、と言うことでした。
お顔立ちもかわいらしく、体型は華奢で女性らしい丸みも強い。その上似合う色は明るく透明感があるカラー。
すべての外見要素が、「ガーリーなファッションが似合う」ということで一致していましたので、似合う服を選ぶのは難しくないタイプです。
となると、悩んでしまう原因は、やはり「着たい服と違う」ということなのですが、じゃあどんな服が着たいのかと言うことをうまく言葉にできないようでした。
そこで前述のようなステップを踏んで、お買い物同行へ。
私は、ボーイッシュな服やクール系の服を、そのお客様に似合うようにアレンジして何パターンもご提案しました。
すると、ボーイッシュ系のコーディネートのときに明らかに表情が明るく!
そして最終的には、ボーイッシュ系のアイテムばかりをお買い上げになったのでした。
お会計をしながら、お客様が一言。
「私、そうとうボーイッシュな格好がしたかったみたいですね 笑」
ご本人が、自分の着たかった服に気づいた瞬間でした。
着たい服は、なりたい自分像です
そして、着たい服というのは、ほとんどが「なりたい自分像」につながっています。
かわいらしい服が似合うのに、かっこいい系の服が着たくなるのは、「本当はテキパキ動けるし仕事もできるのに、なぜかかわいい扱いされているのがイヤ!」という思いの表れだったり。
逆に、クールな服が似合う人がガーリーな服を着たくなるのは、「本当は強い人間じゃないのに、いつも姉御キャラで疲れた・・・。私だって誰かに甘えたい!」という願望の表れだったりします。
着たい服が言葉にならないのは、なりたい自分像を言葉にするのが難しいから。
その難しさは、今の自分の否定でもあり、本当に願っていることを認めてしまうことの恐怖心とも言えます。
でも、言葉にできれば、悩んでいる自分もそのまま認めて受け入れることもできるようになります。
その一歩手前のステップとして、「いろいろな服を着て、着たい服に気づく」というのはとても有効なんです。
直接体に服を身につけるというのは、感情を揺さぶられ、気持ちに嘘をついたり隠したりができなくなります。
本当の自分の感情に気づきやすい行為なんです。
もしあなたが似合う服を知っているのに、なぜかその服にしっくりこないなら、それは内面の問題です。
内面を知るための服装心理学に基づくスタイリングを受けられるのは、現状フォースタイル1社しかありません。
あれこれサロンに行ってますますこんがらがってしまう前に、まずは一度こちらからご相談下さいね。