こんばんは!
パーソナルスタイリスト・服装心理カウンセラーの久野梨沙(@RisaHisano)です。
ファッションで人の心を知り、動かす「服装心理学®」を活用した個人向けスタイリングやスタイリスト育成、講演活動などを行っています。

前回の記事で、「フリーランスでの仕事では、自分は一人しかいなくて時間は限られているのだから、フェアではない受発注関係は断って、その時間をやりたい仕事を受注できるような営業活動などに充てるべき」というお話しをしました。

 

とはいえ、実際には、仕事を断るのって怖いですよね。

業界内でのつながりが大きい人からの仕事であれば、なおさらです。

 

私も起業して仕事をもらったとき、どんな仕事も我慢してやらなきゃいけないのかなって思った瞬間がいくつかありました。
その中でも、特に「これは…我慢すべきなのか…?」と大いに悩み、思い切って断ってみた案件がありました。

 

その結果どうなったのか…?
このお話しをすることで、同じようなお悩みを持つ人の参考になれば、と思っています。
16年前のことなので時効でしょう!ということで、あまりフェイクを入れずに書いてみようと思います。

 

この内容は以下のPodcastでも聞くことができます。

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私はパーソナルスタイリストとして起業したんですけど、文章を書くのも得意で「All About」というサイトでファッションの専門家としてコラムを連載させていただいていたんですね。

 

で、ひょんなことからある大手出版社からお声掛けいただいてあるジャンルの本を出すので、その大半を執筆してくれないかと。
ついてはそのジャンルの服を作っている大手主要ショップに取材をしてほしいという光栄なお話をいただいて。

 

 

それで取材依頼をかけていたんですけど、あるブランドの反応が非常に悪かったというか、お電話をして企画書もお送りしたんだけど、なかなか広報の担当者に電話を取り次いでもらえない。

電話しても「いません」とか「恐れ入りますが折り返します」って言われて、でも折り返しが来ないから何度もかけて、それでも取り次いでもらえない。

 

何度もトライした結果、やっと取り次いでもらえて「取材を受けるかわかりませんが、まずはお会いしましょう」ってことになり、お会いしたら、私のことを見て「ライターさん、女性なんですよねぇ…?」と。
「女性にこのジャンルの服のことなんてわかるはずがないですよね」って言われたんですよ。
「男性だったら取材を受けてもいいんですけど」って。

 

……は?はぁ??

 

これはこれは。

この令和のご時世だったら大炎上必至、ド直球のジェンダー差別。

まだ当時は平成だったから仕方ないなって? 
仕方ないはずないでしょうが、アホか、と。

 

そもそもですよ、この取材は無料なんですよね。
ブランド側から掲載費を取るような企画ではない。つまり、広告案件ではないんです。

ですから、基本的には「ライターを替えろ」なんていう無茶な注文なんかできるわけないんですよ。
そりゃ、取材に協力して頂く以上、「こういうアイテムを掲載したい」とか「こういう方向性で書いてもらいたい」みたいなリクエストには最大限応えられるようがんばりますよ。
でも、ライターを替えろ…とな?!
しかもその理由が「女性だから」だと????

 

これは酷いな、と思ったわけですよ。

 

この業界はみんなそう思ってるのかなと思いきや、別の某大手ショップの有名広報さんは、

「ありがとうございます! 本当に光栄です!」みたいな。
めちゃめちゃ偉い人なのにすごい腰低くて。

 

蓋を開けてみたら、ひどい対応を受けたのは、結局前述のブランドだけだったわけです。

 

で、その時、考えました。

 

「こんな嫌な思いをしても、ここに頭を下げて取材して書くべきなのかな」

 

って。

 

でもきっと、私がいくら頑張って取材をしても、私が担当である限りは良い対応をしてくれないので、たぶんいい話は引き出せない。

私もこんな思いを抱えて、良い文章は書けない。
だって、そんな人たちが作るものに愛情を持てないから。

 

これは私のわがままかもしれないけど、一度それを編集さんにお伝えしようと。

それで「久野にはこの仕事から降りてもらう」と思われたら、それはそれでしょうがないと思って、正直に言ったんですよね。

 

「そういう扱いを受けてまともな取材ができるとも思えないので、このショップを取り上げることは、私からはお勧めできないです」と。
「でも、編集さん的にこのショップが絶対必要ということであれば、私を降ろしていただいて構いません」って話しました。

 

すると、その編集さんは

 

「それはひどいし、久野さん的には他のブランドでこの本が成り立つって思ってるんだよね? 思っているならそれでいいよ。久野さんを信じるよ」

 

って言ってくれたんです。

 

そしてつつがなくその本は書き上がり続編がでる程度には好評を頂きました。

 

さらに、ここからが私の恨みがましいところなんですが😂、そこから10年弱ぐらい、子どもが産まれるまで続けたファッションライターの仕事の中で、そのブランドは結局一度も取り上げませんでしたー!!!
それでも何の問題もなく回った!
なんならそのブランドは結構低迷しました。

さすがにそれは私のせいではありませんけど。だれのせいでしょうねぇ???

 

まぁ、だから、良かったんですよね。
やりたくない仕事はやらなくていいって思いました。

 

だけどそのとき。

仕事の内容を選んだ以上は、「このショップは取り上げなくて良いよ」って言ってくれた編集さんのためにも、死ぬ気で頑張ろうと思ったんです。

仕事を選んだことが、「この仕事の結果を絶対良いものにしよう」と思える原動力になったということです。

 

私はこの出来事をきっかけに、「今後ずっと、やりたくない仕事はやらない」という決断をしました。

その代わりに、「これは私の仕事だ」っていう仕事が来たら、死ぬほど頑張って120%の結果を残そう、やりたい仕事をくれる人にも「頼んでよかったな」って思ってもらえる仕事をしようって堅く心に決めました。

 

やってみると、やりたくない仕事とか、付き合いたくない人と付き合って仕事をすることに無駄なエネルギーをかけずに済むことで、やりたいことにエネルギーを思う存分回せて、120%の結果を出すという誓いも、そんなに苦労せず達成できてきたような気がします。

 

だからこそ。

 

これを読んでいるあなたが、もし、やりたくない仕事を断る決断をしたなら。

ぜひ、そのエネルギーを、やりたい仕事をくださったお客さんに120%で返すんだ!って振り向けてみてください。

そうすれば絶対後悔することはないはず。
逆に頑張る力になるはず。

 

フリーランスって自分で自分に火をつけるっていうことも大事です。

誰もお尻を叩いてくれないし、自分でモチベーションを上げていかなきゃいけないわけですから、やりたくない仕事を断ることで、やる気を出すきっかけにすればいいんじゃないかなって思うんですよね。

 

物事は、考え方次第。
そしてフリーランスや起業家は、その考え方一つでビジネスがいかようにも転がっていくわけですから、なおさら、自分の考え方は敏感にコントロールしていくべきだと思うのです。

 

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