こんばんは!
パーソナルスタイリスト・服装心理カウンセラーの久野梨沙(@RisaHisano)です。
ファッションで人の心を知り、動かす「服装心理学®」を活用した個人向けスタイリングやスタイリスト育成、講演活動などを行っています。
先日、TBS「この差って何ですか?」の「上品に見える人とそうでない人の差」というテーマでコメント出演しました。
以前スタジオ出演したときに比べれば、コメントだけですし放送時間は短かかったんですが、いろいろな方から「見たよ〜」とご連絡頂きまして、ありがたい限りです!
番組内でお伝えした、上品に見せるファッションのコツ
この放送では、立ち居振る舞いや話し方など、様々な切り口で「上品に見えるテクニック」をお伝えしていたのですが、私がお伝えした上品に見えるファッションのコツは、
「同系色でまとめる」ということでした。
こんな風に、まったく違う色同士でコーディネートするよりも・・・・・・
こちらのように、似た色同士で組み合わせた方が上品に見えます。
・・・・・・と、この番組ではお伝えしたんですが。
これは正確に言うと、上品に見えるというより「シンプル」な印象を与える色彩コーディネートです。
今回、この番組では「上品=欲がないこと」と定義していて、他のジャンルも「欲がない=控えめ」に見えるようなコツを紹介していたので、ファッションもそれに倣ってシンプルに見えるカラーコーディネートをお伝えしたというわけです。
でもこのコツだけでは「上品」なイメージを作れないときがある!それは・・・
でも実際にパーソナルスタイリングの現場で、「上品に見せたい」という人すべてに同系色コーデをお薦めすればOKかというと・・・・・・そう簡単にはいかないんですよね。
なぜかというと、「上品」の定義が人それぞれだから。
そもそも上品って言葉を辞書で引いてみますとね、
[名]品質のよいこと。また、高級品。「上品だけを扱う老舗(しにせ)」⇔下品。
[形動][文][ナリ]品格のあるさま。品のよいさま。また、味などの洗練されているさま。
とあります。
「高級品」はまぁわかるとして、「品格のあるさま」ってわかりますか?かーなーり、曖昧ですよね。
ちなみにここで「品格」って引きますと、「上品なさま」って出てきます。辞書内たらい回し、あるあるー!
まぁそんなわけで、何を「品格があると感じるか」は個人の主観にある程度任されております。
だから当然のごとく、「上品なファッション」と聞いて想像する服装は、人それぞれ微妙に違うんですよね。
じゃあパーソナルスタイリングで「上品な印象にして欲しい」と言われたらどうする?
じゃあどうやってスタイリングすんのさ、って問題なんですが。
それには、まずお客様が持っている「上品」に対するイメージを深く探るほかありません。
つまり、カウンセリングです。
お客様に「上品」という言葉を別の言葉で言い換えてもらったり、雑誌から上品と感じるコーディネートを見つけてもらったり、上品と感じる芸能人や文化人がいれば教えて頂いたり、などなど。
お客様によって回答しやすい質問の仕方が変わりますので、それを探りつつ。ここはもう完全にカウンセリングスキルがものを言う世界ですね。
ここの掘り下げ度合いが深いほど、提案するスタイリングの精度が上がります。つまり、お客様が「そうそう、こういう風になりたかったのー!!」って思えるスタイリングが作れるかどうかは、このカウンセリング次第。
だから結構聞きます、しつこく(笑)。
「上品」から何を連想するか、カウンセリングしてみると・・・
で、これまで多数の人の「上品」を掘り下げたところ、最も多かった類義語(お客様にとっての)は、
シンプル
でした。
「すっきりした」とか「けばけばしくない」とか「さりげないおしゃれ」みたいな言葉で表現する人もいましたが、総称すると「シンプル」。
これは今回の放送内容にも結構合致する感じですね。
お客様のいう「上品」がシンプルに近いイメージなのであれば、番組でお伝えした「同系色コーデ」をすれば演出可能。
しかーし。
「シンプル」と同じくらい多く
女性らしい
という言葉をあげる人も多いんです。
「エレガント」や「優美」みたいな言葉をどんどん連想していって、「結局、女性らしいってことかも・・・・・・」と。
もし上品という言葉を「女性らしい」という意味に近いイメージで使っていたのであれば、番組でお伝えした同系色コーデでは、必ずしも実現はできません。
単純に色で演出するなら同じ系統の色かどうかではなく、暖色系を使っているかどうかが大事になってくるでしょうし、色以外に洋服の質感やデザインの影響もかなり大きくなってきます。
次に多いのが
高級感
という言葉。
この場合にも、同系色コーデというだけでは表現は難しく、それよりも暗い色をメインに使うほうが効きますし、また、こちらも「女性らしい」印象を演出するときと同じく、生地の質感がかなり影響します。
どうでしょう? この中に、あなたが思う「上品」に近い言葉はありましたか?
こんな風に、同じ言葉を使ってもイメージしている服装は人によってだいぶ違いますから、注意が必要なんですね。
もちろん、ファッションの方向性を決める時だけでなく、ヘアスタイルやメイクのアドバイスをする時にもこういったイメージのすり合わせは欠かせません。
ですから、このカウンセリングの方法を美容院で研修としてお教えしているくらいなんですよ。
なぜ「上品」なイメージを求めているかも重要
とはいえ、カウンセリングではお客様が求めている「上品」というイメージを掘り下げきれない時があります。
それはお客様ご自身がご自身の頭の中のイメージを言葉で表現するのが苦手だったり、そもそもオシャレがあまり得意でなくて、雑誌を見せられてもどういうのが上品か、指し示すことができなかったりするケースです。
そんなときには、お客様のおかれている環境を知ると、なぜ「上品」な印象を求めているのかがわかり、そこから、求めているイメージをどう演出すれば良いかが見えてきます。
例えばこれまでと環境が変わって、新たに上品なイメージを演出する必要が出たという場合に、
「子供のお受験をすることになって」
というケースと、
「昇進した役職にふさわしくなりたくて」
というケースと、
「起業してライバルと差をつけたいから」
というケースとでは、同じ「上品」でもその方向性が全然変わってきます。
テレビや雑誌で伝えているのは「最大公約数」的なコツだから・・・
これは私もいっつも悩むところなんですけれど、テレビや雑誌って、たくさんの人に一度に情報を伝えるメディアなので、どうしてもお伝えするテクニックは単純化せざるを得ないんですね。
でもファッションほど個人差が大きいジャンルもないわけで・・・・・・。
だから、マスメディアの出演依頼は、企画を聞いた段階で「こりゃ、単純化して伝えるのは絶対無理でしょ」って思うものは断っています。
出演するものは、まぁなんとか大半の人に役立てていただけることは言えそうかな、っていうテーマのときだけ。
それでも、どんな人が見ているのかとか、誰に伝えたいのかなんかは必ず聞きます。
そして、それに合わせて回答をしています。
なので、あなたが私の答えたメディアのコツを一生懸命学んで下さっていたとしても、そのメディアがあなたに向けた企画をしていなかったら、もしかしたら私の言っていることはあなたにとっては的外れかも知れないんです。ごめんなさい。
だから、私が発信したものに限らず、ファッションの情報をマスメディアで得たら、もう一歩自分で深めるアクションを取ってもらいたい!
私は、このブログでは自由に書けるので、メディアで発信した情報のフォローアップは精一杯しているつもりです。
だからもしあなたが、「この差って何ですか?」を見てから私のブログで再度その学びを深めてくれたのなら、これほど嬉しいことはありません!
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