こんばんは!
パーソナルスタイリスト・服装心理カウンセラーの久野梨沙(@RisaHisano)です。
ファッションで人の心を知り、動かす「服装心理学®」を活用した個人向けスタイリングやスタイリスト育成、講演活動などを行っています。
4月の第1週は例年、新入社員向けの身だしなみ研修でてんてこ舞い!
今年も私と弊社所属講師とであちこちに出向き提供させて頂きましたが、少し前からこの新入社員向け研修が、スーツのマナーだけを教える研修から「ビジネスカジュアルを好印象に見せる方法を教える研修」の方が多くなってきました。
明文化されたマナーを教えるだけで良いスーツ研修と比べて、ビジネスカジュアル全般の研修となると、「どのくらいまでカジュアルOKとするのか」を企業の業種やそれぞれの食品照らし合わせて提案することから始まるため、イメージコントロールや人に与える印象を左右する服装心理学の知識が欠かせません。
弊社へのビジネスカジュアル研修の依頼が増えているのは、そういった背景があるのだと思います。
特に最近は働き方改革の一環でドレスコードを緩める企業が多く、新入社員研修の時期に限らず、ビジネスカジュアル研修が増えてきました。
そういえば先日もこんなニュースが。
[blogcard url=”https://www.asahi.com/articles/ASM4D5TPPM4DULFA039.html”]
コカ・コーラボトラーズジャパンでも、「本社の事務部門などの約3700人」に、ジーンズやスニーカーなどのカジュアルな服装を認めるとのこと。
ただ、ビジネスカジュアル研修の中で参加者様の声を聞いていて痛感するのが、単純にドレスコードを緩めるだけの取り組みは、却って従業員を苦しめる結果になるかもしれないということなんです。
ビジネスカジュアルの服装規定導入を成功させるポイントは、なぜドレスコードを緩めるのかということを明確にすること。これに尽きます。
企業がドレスコードを緩めるなら、目的としては以下のいずれかになるのではないかと思います。
1.働く姿勢に合った服装で楽に働けるようにする
2.業種や職種に合った服装に変えて企業イメージを向上させる
例えば上に挙げたコカ・コーラの例でいうと、営業職は従来通りスーツスタイルとのこと。つまり目的としては1に当てはまるのではないかと思います。
社内にいるのであればスーツを着ているより、ジーンズや柔らかいカットソー・ニットなどで働けた方が確実に姿勢としては楽なはず。
それを選択できるようになったということですね。
しかしこの1の目的でドレスコードを改訂するのであれば、「いや、私はスーツの方が働きやすい!」という人にはスーツを着る自由を与える必要も同時に出てきます。そうなると社員の格好がばらつくことは避けられませんが、それを許容するようにしなくてはいけません。「多様化」が目的ですからね。
でも実際には、そうはならない企業が多いです(コカ・コーラさんがどうかはわかりませんよ!)。「ドレスコードを緩めたんだから、みんなが、カットソーにジーンズといったカジュアルスタイルで勤務すべき」となってしまうんです。
これではドレスコードがスーツからカジュアルに変わっただけで、多様化が許容されるようになったとは言えないんですよね。
それでは、2つめの目的の場合はどうでしょうか。
例えばエンタメ系の企業やIT企業などは、「カジュアルスタイルの方が独創性や頭の柔らかさなどを感じさせられてイメージ的に良い」という理由でカジュアルを解禁することがよくあります。
この場合には、従業員を楽にさせる目的というよりは、あくまで会社イメージに合った服装に変えるという目的でのドレスコードの改革ですから、従業員としてはその意図を汲み、たとえスーツの方が楽だったとしても、カジュアルに変えていかなければいけないでしょう。
一口に「カジュアル服での勤務解禁」といっても、目的がどちらかによって、やるべき研修が変わります。
本音は「起業イメージを変えたいから全員カジュアルスタイルに変えて欲しい」なのに、建前として「多様化しますよー」って掲げてしまうと、いくら研修をやったところで、なかなか企業サイドの目論見通りにはカジュアル化は進んでいきません。
「カジュアルを推奨すればみんなそうしてくれるだろう」と見切り発車でドレスコードを緩めた結果、服装がてんでバラバラになってしまって悩んだ挙句、弊社に駆け込むという事例が増えています。
導入してからの研修・・・。がんばりますが、すでにバラバラになってしまっている身だしなみを統一するのは結構難しいです・・・。
「カジュアルスタイルでの勤務」の導入を考えている人事の方は、ぜひ導入前にご相談頂ければ、目的や実情をヒアリングした上で、スムーズな導入方法をご提案できると思いますので・・・何卒早めにご相談下さい!!
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