こんばんは!パーソナルスタイリスト・服装心理カウンセラーの久野梨沙です。
「ショップ店員さんに『この商品すごく人気で、私も持ってるんです~!』って言われて逆に買う気が失せた!なんであんなこと言うんだろう・・・」
「私は少しでも細く見えるような服を買っているのに、あの子は私より太ってるけどそんなこと気にせず好きなもの着ていそう。なぜ気にせずにいられるんだろう??」
そんな風に、他の人のおしゃれへの考え方に違和感を覚えることってないですか?
アパレルメーカーを退職、パーソナルスタイリストとして独立して11年。
1万件以上の個人向けスタイリングを担当してきて痛感していますが、一人一人、おしゃれに対する考え方って驚くほど違います。
ですから、他人のおしゃれにまつわる考え方や行動に違和感を覚えるのは当然のこと。
でも、「服装心理学®」を知ると、「人によってファッションの捉え方がどうしてこれほど違うのか」が、その理由と共にとてもよくわかるようになります。
例えば性格診断をするだけでも、その人がおしゃれにつまずきやすい点や苦手に感じること、そして何に気をつければファッションセンスを上げられるのかということが手に取るようにわかります。
そのため、私のパーソナルスタイリングでは、必ず初回に性格診断を受けてもらっているんです。
例えば、あなたの性格が「弱み集中」タイプなのか「強み集中」タイプなのかはとても重要!
今回はこの2つのタイプについて詳しく見ていきましょう。
穴があったらとにかく埋めたい「弱み集中」タイプ
「弱み集中」タイプは、物事を良くしようとするとき、ひたすら欠点の改善に取り組み、全体の底上げを図ることでステップアップを目指そうと無意識に考えるタイプです。
1つの欠点(と本人が考えていること)を改善したらまた次へ、と延々と繰り返していきます。
以下の項目に当てはまる項目が多い人は、「弱み集中」タイプと考えられます。
・学生時代、得意科目より不得意科目の勉強をがんばっていた
・人と比べて、自分の欠点がつい気になってしまう
・新しいものを作り出すより、元の状態に戻す「片付け」のほうが得意
・仕事で何か改善した方がいいことを見つけると、それが気になって仕方ない
穴を埋めるより光っているところをさらに磨く「強み集中」タイプ
それに対して、「強み集中」タイプは、物事を良くしようとするとき、長所を伸ばし活かすことでレベルアップしようと考えるタイプです。
欠点は取りあえず置いておいて、良い部分を伸ばしてそれでカバーしていけばいいんじゃない?と考える性格。
以下の項目に当てはまる項目が多い人は、「強み集中」タイプと考えられます。
・学生時代、不得意科目より得意科目の勉強をがんばっていた
・仕事でも趣味でも、「自分に向いていないな」と感じると途端に興味を失う
・職人やプロの仕事に惹かれる
・自分以外の人の長所を見つけるのも得意
・・・・・・さて、あなたはどちらのタイプに近そうですか?
もちろん、このタイプのどちらかが特別におしゃれが苦手になりやすい、というわけではありません。
どちらのタイプでも、おしゃれが得意な人もいれば苦手な人もいます。その数にあまり違いはないように感じます。
しかし、どちらのタイプでも、その考え方だけに凝り固まってしまうと困ったことが起こるのです。
「弱み集中」タイプはおしゃれを考えれば考えるほど、自信をなくしてしまう人が多い
例えば、「弱み集中」タイプは、洋服を選ぶときにも欠点の改善しか考えられません。
ですから、脚が太いことを悩んでいる人は美脚効果のあるパンツばかり買ってしまいコーデがマンネリ化したり、顔色が暗いから明るい色着なきゃ!と突然タイプ手な色を買ってきてコーデ出来ずにタンスの肥やしになったり。
欠点のカバーだけに集中してしまって、コーデがちぐはぐになりやすいのです。
また、どうしても外見の欠点ばかり考えて洋服を選ぶようになるので、おしゃれが楽しいと思えなくなってしまうというデメリットも・・・・・・。
「おしゃれしなきゃいけないから、頑張ってしている」というスタンスになりがちです。
「強み集中」タイプが陥りやすいのは、ポジティブが故の「手抜きファッション」
一方強み集中タイプは、似合っていると自分が思っている洋服のデザインや色ばかり買い集めがちです。
自分の中では違うものを買っているつもりでも、周囲から見ると「こないだ買ったアレと、どこが違うの?」なんてことが多々。
「トップスぜーんぶ柄物!」といったように持っている服が偏るから、手持ちの服だけではコーデがほとんど組めないということも多いタイプです。
また、自分の長所をわかっていることから、基本的にポジティブ思考で無理をしません。
だからおしゃれより快適さを優先することが多く、手抜きファッションで印象が悪くなったり老けて見えてしまっているケースも非常によく見かけます。
では、それぞれのタイプがもっとおしゃれになるには、何を意識すればよいのでしょうか?
「弱み集中」タイプはコーディネートを全身バランスで見るようにすると完成度が上がる
どちらのタイプにも言えることですが、まずは「自分が短所 or 長所 ばかりをクローズアップして捉えがちだ」ということを意識するだけでも、それぞれのデメリットが出づらくなります。
その上で、「弱み集中」タイプはコーディネートを考えるとき、全体のバランスに特に気をつけるようにしてみて下さい。
というのも、短所ばかり目が行ってしまう「弱み集中」タイプにとっては、細かいところばかりあれこれ手を加えてしまうことがおしゃれに見えない原因につながるんです。
コーディネートの完成度は、やはり全体のバランスが大きく左右します。
気になる部分ばかり拡大して見るのではなく全体を見てみると、バランスのおかしさに気づけたり、自分の短所に囚われるあまりそこを逆に目立たせてしまっていることに気づけたりするはず。
具体的には、コーディネートをチェックするとき、全身鏡から2m程度離れるのがお薦め。
これ以上近づくと全体が見づらくなり、バランスの悪さに気づけませんよ!
「強み集中」タイプは、人の評価を意識するとファッションのブレイクスルーが見えてくる!
「強み集中」タイプは、自分の長所を活かした洋服を選べていることが多いため、おしゃれに対するやる気さえ失わなければ比較的高いレベルのファッションをキープできるはず。
その上でさらにもう一歩上を目指すなら、他者の評価を取り入れてみるとよいでしょう。
例えば、「強み集中」タイプはどうしてもファッションが決まった似合いやすいジャンルで固定されがちですが、他の人の意見を取り入れてまったく違うテイストのブランドに挑戦してみれば、もっと素敵に見えるファッションに出会えるかも知れません。
また、他者の評価を意識することは、おしゃれに対するモチベーションを保つにもとても良い方法です。
アパレル販売員やパーソナルスタイリストなど、ファッションのアドバイスをする立場である人が注意すべきこと
そしてさらに、ショップ店員やスタイリストなど、誰かにファッションのアドバイスをするような職業に就いている人には特に、自分がどちらのタイプなのかを意識して仕事をして頂きたいのです。
「弱み集中」タイプの人は、相手にファッションアドバイスをするとき、どうしても「欠点をカバーする」方向性でアドバイスをしがちです。
でもそれって、そのお客様が「欠点をカバーしたい」と思っていればいいんですが、そうでなかったら・・・・・・ちょっと失礼にあたりますよね?
例えば「このワンピース、すごくウエストが細く見えて着やせ効果があるからいいですよ」といったセールストーク。
「弱み集中」タイプのショップ店員さんがしがちなアドバイスですが、着やせなんて特に求めてないお客様にしてしまったら「私って・・・着やせした方がいいってこと?」と感じさせてしまいます。
また、「弱み集中」タイプの人がパーソナルスタイリストになると、欠点をカバーするアドバイスばかりしてしまいます。
これが、「強み集中」タイプのお客様にとっては、とても居心地悪く感じます。自分の長所を活かして欲しいのに欠点にばかりムリヤリ目を向けさせられている気がするからです。
逆に「強み集中」タイプは、相手の長所をとにかく褒めながらコーディネートをお薦めする傾向にあります。
しかしそれは「弱み集中」タイプにしてみるとお世辞を言われているように感じていたたまれなくなってしまうのです。
「弱み集中」タイプには自分の長所のことはピンとこないので、相手が本当のことを言っているのか、単なるお世辞なのかが区別できません。
その結果、「商品を売りたいからこんなことを言っているんだ」「私を気持ちよくさせようと思って言っているだけだ」と思ってしまうのです。
逆に、欠点を一緒に理解してその苦労に共感しつつ解決策を提示する方が、ずっと信頼されるのです。
人は自分がされて嬉しいことを相手にしてしまいがち。でも、自分と逆のタイプのときにはそれが裏目に出てしまいます。
お客様の言動からその人が「弱み集中」タイプなのか「強み集中」タイプなのかを予測して、相手のタイプに合わせたコミュニケーションをとることが大切です。
自分の性格についてより詳しく知って、ファッションに活かすには
私のパーソナルスタイリングでは、今回ご紹介した「強みor弱み集中」以外にも、様々な性格の特徴がわかるテストを受けて頂いてからスタイリングを行います。
だから結果的に、外見に似合うだけでなく着ていてしっくりくるファッションがわかります。
自分らしい服装を見つけたいという人は、ぜひ以下でご紹介している私のパーソナルスタイリングを試してみて下さい。
また、アパレル店員やパーソナルスタイリストにとっては、単に似合う服を教えるだけではご満足いただけない時代になりました。
これからは、今日お伝えしたようなお客様の心を知るスキルがなければ生き抜いていけません。
服装心理学®を学んでお客様の心に寄り添ったアドバイスができるようになれば、ファッションの仕事はもっと楽しいですよ!
服装心理学®が学べるパーソナルスタイリスト養成スクール FPSSは、スタイリストとしての起業だけでなく、販売員としてのスキルアップを目指す方も多数通学中です。