先日のNHKラジオ年末特番「一足早いけれど、女正月!」を聴いて下さった方、ありがとうございます!
お聴き頂いた通り、何と当日外務大臣の緊急記者会見が飛び込み、それに伴って緊急ニュースも・・・ということで、放送時間がかなり短縮されてしまうことに。
ニュース速報が飛び込んできたときのラジオデスクの慌ただしさを体感できたのはなんとも貴重な経験でした。
でもでも、せっかくいただいていたおしゃれのお悩みに関するメールにお答えできなかったことはとても残念・・・。
メールをいくつか読ませて頂いたのですが、
「何を着たら良いのかわからない」
「おばさんくさい服は着たくない。でも若向きの服を着て『若作り』と思われたくない」
「いざ外出となると着る服がない」
といった、「人からの視線」が気になっておしゃれを楽しめていない人がとても多い印象でした。
なので、番組の最後で、リスナーの方に向けてのメッセージを問われたときに、あえて
「似合う服より好きな服を着ることを楽しんで!」
とお伝えしました。
放送をご一緒した専門家の女性からは「似合う服より好きな服を優先しちゃって大丈夫なんですか?」って質問されたのですが、人目を気にしすぎてしまっている方は、似合う服について深く考えすぎない方がよい、と私は思っています。
なぜなら、そういう人は性格的に、いくら「似合うかどうか気にしなくて良い」と私が言っても、完全に気にしなくなることはないからです。
そしてそういう人ほど、周りが見えているし空気も読めているから、その場から浮いていたり、似合わなすぎて違和感が出るような服を着ていることはありません。
できていることを「もっともっと」と気に病んでいても、何も良いことはありません。
であれば、「服を着ることを楽しむ」「自信を持って服を着る」という、今できていないことをできるようにがんばる方が幸せになれるはずです。
そして余談ですが、似合わない服を着ていて周りから浮いてしまっている人は、本人にはその自覚はないものです・・・。
酔っ払っている人ほど「えーー、酔ってないって!そんなに飲んでないって!」と言うのと同じです。(同じか?笑)
だから、もしあなたが「私って似合わない服を着ているかも」と思っているなら、大丈夫。
あなたは今のままでもあなたが自分で思っているほど浮いてはいないし、それでも気に病んでしまうあなたなら、これからもっとおしゃれになれるチャンスはたくさんあります。
そんなお悩みメールしかり。
服と心の関係を見つめていると、単にお客様をおしゃれにすることがパーソナルスタイリストの役割ではないんだ、と痛感させられます。
どんな風におしゃれと向き合うのがその人にとって良い状態なのかは十人十色。
だから私はいつも「服を使って、お客様が最も幸せで心地よい状態を作ることが私の仕事だ」と肝に銘じています。
そのせいなのか、今年も私の元にはちょっと難しいケースのスタイリングのご依頼が来ることが多い1年でした。
ご主人やパートナー、自分の家族が「着て欲しい」という服と、自分が着たい服、自分に似合う服がかみ合わず、どうしてよいかわからない女性。
ビジネス上出すべきイメージと、ご自身の外見から出るイメージがかなり離れていて、商談やリクルーティングで思うような成果が挙げられないと悩む起業家や経営者。
別のサロンで似合う服の診断を受けたけれど、それがどうしても自分の着たい服ではなくて、でもそう思ってしまう自分がおかしいような気がして悩んでいる方。
子育てに仕事に毎日忙しくて、あんなに好きだったおしゃれへの意欲がどんどん失せてきて、そんな自分になんとなく危機感を抱いているワーキングマザーの女性。
どれも、似合う服や似合うデザインを診断するだけでは解決しないお悩みばかりです。
また、同じようなケースに見えても、最適解はそのお客様の性格や考え方によって大きく変わります。
ああ、だからマニュアル化できないこの仕事。
もうすぐ10年のキャリアを持つ私ですら、毎回真剣勝負で、どうするのがお客様にとって一番良いのか、ぐるぐるぐるぐる考え迷う毎日。
それでも、ラジオの生放送でとっさに
「好きな服を着て楽しんで欲しい!」
と言える自分でいられてよかった、と心から思いますし、来年も再来年もそうありたいと思っています。
さて、これが今年最後の更新になりそうです。
来年も芯はぶらさずに。
服を通じて人が幸せになれる、いろいろな仕掛けを準備していきます!
皆様にとって、来年も素晴らしい年でありますように。
今年も一年、本当にありがとうございました。