震災と「夢」の関係 | 「前に立つ人」専属スタイリスト久野梨沙 - エグゼクティブ向けファッションコーディネートサービス

最近、目が覚めると怒っています。
いや、正確に言うと、
「怒る夢を見て目が覚める」のですが・・・
あまりに毎日毎日夢の中で怒っているので
最近見た夢の内容を改めて分析してみることに。
心理学的に、夢分析をするのは久しぶりのことでしたが、
すぐにその理由がわかりました。
私、心底、震災に怒っていたのです。
罪もない人のたくさんの命を奪われて
毎日毎日不安な思いさせられて
人のイヤな部分や弱い部分を見せつけられて
自粛ムードで街を暗いムードにさせられて・・・
それらのことに、
腹が立って腹が立って仕方がなかったのです。
なぜこれに気付いたかというと、
夢の内容はすべてばらばらで
一見震災にはまったく関係がないものだったのですが
出てくる重要なキーワードが
すべて震災にからんでいたことだったのです。
おそらく、心の底では怒りがたまっているのに
一向にそれを吐き出そうとしないから、
潜在意識が、夢の中でそれを吐き出させようとしてくれたのでしょう。
（これも私がやっていることなので
「してくれた」って言い方もオカルトチックでおかしいんですが・・・）

感情の表出は、意味や目的があってするものではありませんし
ましてやその権利云々なんて話でもありません。
なのに、私たちは
「自然災害に対して怒っても意味がない」
とか
「被災地の人はもっと苦しい思いをしているのだから
私たちはこんなことでツライと思っちゃダメだ」
などといって感情を押し殺しがち。
そうしているうちに、行き場のない感情があふれて
自分でコントロールできなくなってしまい、
パニック障害といった症状に至ってしまうことも。
私の場合、そうなる前に夢の中で
しっかりガス抜きができていたのでよかったのですが・・・
感じた気持ちを表現することは罪ではありません。
ただ、表現する時と場所を考えればいいだけです。
信頼できる人に、ゆっくり話せる時間に聞いてもらったり、
自分で夜寝る前にノートに書き綴ったり・・・
感情が暴走する前に、こまめに放出するための
自分なりの方法を見つけておくことをおすすめします。
ただ、それが難しい人にも、「眠る」という方法があります。
「夢」を見ることで、私のように記憶を整理したり、
気分を落ち着かせてくれたりする効果がありますから・・・
震災が起こってから眠くて仕方ない、という声も良く聞きます。
それは、緊急事態にあたってフル活動した脳が
自分の記憶や感情を整理する時間をほしがっているのです。
ですから、「怠けちゃダメだ」なんて自分にむち打たずに、
どうぞ、この週末はたっぷりと睡眠をとってください。